長崎に住むってどう?仕事や交友関係におけるメリットとデメリットについて

大学進学や転勤など、色々な事情で長崎市に住む方、いらっしゃいますよね。

でも長崎ってハウステンボス、ちゃんぽん、カステラ…そんな観光や食のイメージはありますが、実際住むとなるとどうなのか?と気になることがたくさんあります。

今回は長崎出身で、長崎を離れて愛知・東京に住んできた私が、長崎を離れたからこそお伝えしたい長崎に住むメリット・デメリットを、仕事や交友関係などの目線でご紹介します。

長崎ってどんな街?

まずは簡単に、私なりに長崎の紹介をさせていただきます。

長崎県の県庁所在地は長崎市です。
九州の一番左端、西側に位置している県で、県のほとんどが海に面しています。なんと海岸線の長さは北海道に次いで2番目なんです。
海はもちろん、山、坂が多い県です。

ちなみに長崎のお隣は佐賀県で、その隣が福岡県です。

九州で一番の都会、福岡県の博多までは、長崎市からはJRで約2時間、バスで3時間ちょっと、車で約2時間(高速利用)かかります。

長崎県は車社会で、通勤通学は車とバスがメインで、長崎で電車といえば路面電車のことを指します。
長崎市に限って言えば、坂が非常に多いため、自転車に乗っている人はほとんどいません。(自転車を持っていない人、自転車に乗れない人も多くいます。)

他県出身の方が多くイメージする長崎といえば、ハウステンボス、ちゃんぽん、カステラなど、観光や食べ物のイメージがあると思いますが、長崎出身の私から見ても長崎は観光が強みだと思います。
そして日本では長崎と広島だけ原爆投下がされた地ということもあり、小中高では平和学習があったりなど、歴史には触れる機会が多くあります。

長くなりましたが、長崎を簡単に表すと、自然・観光・歴史の街だと言えます。

 

長崎に住むメリット

費用が抑えられる

長崎は東京などのいわゆる都会と比べて住居費が格段に抑えられます
家を建てるにも、借りるにも、費用は安いです。

賃貸の場合、東京の平均家賃と比べて2~3万円の差があります。
住居費に関しては長崎だけでなく、地方ならどこでも、東京より抑えられることは想像がつきますね。

しかし、それ以外の物価に関しては、大差はないと感じます。都会でも長崎でも、安い店・高い店は当然あります。

人の多さによるストレスがない

都会だと、通勤ラッシュや、どこに行っても人が多く、人の多さに嫌気がさすことが多いですよね。

長崎は、通勤通学はバス・車がメインで、バスももちろん混雑してぎゅうぎゅうではありますが、東京の、電車にぎゅうぎゅう詰めになるようなラッシュと比べるとかわいいものです。

さらに街中の商業施設や観光地に行ったとしても、人がいないことはありませんが、多さは大してストレスにならないぐらいです。

人とのつながりが強い

長崎はコンパクトな街で、しかも人口もそんなに多くありませんので、人とのつながりが強く感じられます。

東京などの都会とは違い、何か特別な理由がない限りは新たに移住しようとする人も少ないでしょうから、長いスパンでのご近所付き合いは非常に強いです。

私の実家でも、ご近所さんとの衣類の譲渡や調味料の貸し借りなどがよく行われていました。

自然が豊かすぎる

長崎は山も川も海もあり、街中にも自然が多くあります。住宅街では普通に星が見えます。
あんな場所に家が建ってるの…?というような、小山の中にも多く家が建っています。

都会のような、上を見上げて歩いてしまうようなビル群もありません。そもそもそんなに高いビルがありませんし、オフィスビルなんてありません。

都会の喧騒とはかけ離れた、落ち着いた生活ができます。

長崎に住むデメリット

世間が狭い

地方あるあるかもしれませんが、長崎は非常に世間が狭いです。

私がたまに帰省して街中に出かけると、行く先々で最低1人は知り合いに遭遇します。

他にも、長崎の人は大学進学で県外に出る人も多くいますが、九州内、特に福岡に行く人が多く、長崎県内だけではなく福岡までなら、どこかしらで人のつながりがあります。
例えば、友人の福岡の友達と、また別の友人の佐賀の友達が知り合いだったりと、県をまたいだつながりがあります。

さらに、人とのつながりが強い分、噂が広まりやすいです。

○○さんが結婚したらしい、○○さんが亡くなったらしい、など、いい噂だけではなく悪い噂も広まりやすいので、何かやらかしてしまったときに、地元の友達に知られたくないと思うと難しい部分があります。

選択肢が少ない

地方あるあるですが、長崎は、何においても選択肢が限られてしまいます。

教育、娯楽、仕事、などなど挙げればきりがありませんが、例えば娯楽でいうと、長崎市内で若者が衣類を買いたいと思うと、行く場所が、商業施設3か所に絞られます。

例えば東京であれば、渋谷・新宿・原宿・下北沢…などと、電車で行ける範囲に数えきれないほどのファッションビルなどの商業施設がありますよね。
ですが、長崎の場合、長崎市内で3か所なんです。

他にも、市内で映画を見るなら、映画館は2か所のどちらか、カラオケやボーリングに至っては、施設が集まっている地域が限定されるので、違う場所にいる場合には電車で移動しなければなりません。

娯楽だけではなく、教育面(大学も含めて)や仕事でもそうです。

このように、長崎を含めた地方は、あらゆることにおける選択肢が絞られてしまいます

コンビニもスーパーも当てにできない

これも地方あるあるですが、長崎は地域によってはコンビニが全くありません

私の実家がある町は、20年ほど前にはコンビニが1軒ありましたが、誰も利用しなかったのか、つぶれました。
他に買い物ができる場所はスーパーが1軒だけありましたが、もちろん21:00閉店です。しかもそこの次に近いスーパーは車で10分の所にあり、そこももちろん、21:00閉店です。
ちなみに一番近いコンビニまでは車で5分でした。

都会に住んでいれば、例えば、子供が次の日の授業で必要な物を夜思い出して、スーパーやコンビニに買いに行ったり、夜おなかが空いたから夜食を買いに行ったりすることもできるでしょうが、そんな暮らしはできません。

何か必要な物に気づいたとしても、お酒を飲んでしまっていたら車にも乗れません。もちろん自転車で行ける距離でもなければ、坂が多くて自転車で行こうという気にもならないので、諦めるしかありません。

ちなみに今の私の地元の状況は、唯一あったスーパーが数年前に撤退して、数年間は町にはスーパーもドラッグストアも一軒もない状態が続いていました。そんな状況で免許を持っていない方は地獄だったと思います。
ですが、少ししてドラッグストアができたことで、少しの食材に加えて薬やトイレタリー用品なども返るようになったので、町の人は大変助かっているようです。

このように、都会とは違ってコンビニもスーパーも、地方においては当てにできないんです。

仕事が少ない

選択肢が少ないというお話でもお伝えしましたが、長崎は県内全体で見ても仕事が少ないです。

長崎で、日本の誰もが知っている企業といえば、三菱系(造船メイン)やジャパネット、リンガーハットなどがあげられますが、例えばジャパネットは佐世保市が本社なので、長崎市ではありません。

ちなみに長崎県の有効求人倍率は1.1で、日本で45位となっています。(2020年3月時点)

別に人口が少ないからいいのでは?と思うかもしれませんが、東京は人口が多くても有効求人倍率は1.87なので、こう見ても長崎は仕事が少ないと言えます。

はっきり言ってしまえば、長崎市で仕事をするなら(特に男性)、三菱系か専門職か公務員に絞られます。

もちろん長崎にも中小企業は山ほどありますが、先ほどご紹介した通り、長崎は世間が狭いからなのか、相手の仕事を気にする傾向があります。
仕事を聞かれたときに、「三菱系」と答えるか「公務員」と答えるか、「医者・薬剤師・看護師・銀行員」などと答えるか、それ以外と答えるかで、大きく変わってきます。

仕事が少ない分、手に職をつけているか、公務員が強い感じがします。
私の地元の知り合いで見ても、役所・県庁の職員・医者・薬剤師・教師・銀行員がほとんどです。

特にこれらの職業に就いている人と、それ以外の中小企業に勤めている人では、都会以上に収入の格差が大きいと思います。

給料が心許ない

役所・県庁の職員や教師でも言えることですが、長崎は平均年収が全国的に見ても良いほうではありません

だからこそ、少しでも給料の良い公務員や専門職に就く人が圧倒的に多くなります

例えばアルバイトの賃金で見ても、国が定める最低賃金ぎりぎりで、東京では普通の時給1,000円なんて、良すぎて逆に怪しい仕事に見えてしまいます。

このように、長崎でがっぽり稼いで…というのは本当に限られた職業の人だけですが、給料が低い分、毎月の固定費である家賃が安いのは当然ですね。

トータルで見ても不便

長崎は自然が豊かで人の多さによるストレスがなくて、それだけでも都会に住んでいる人からしたらうらやましいと思うかもしれませんが、それ以上にやっぱり不便さが勝ちます

再三お伝えしましたが、長崎は車とバス社会です。

住んでいる地域によりますが、近くのコンビニには車がないと行けませんし、自転車は役に立ちません。
バスは結構色んな地域まで路線があり、本数もそこそこ充実していますが、街中からの終バスは22時台に終わってしまいますし、タクシーで帰ろうものなら5,000円は下りません。

都会のように、終電が0時過ぎまであるなんて、上京するまでは想像したこともありませんでした。
今でもたまに地元に帰り街中で友達と飲んでも、22時台には解散します。それを過ぎるようであれば、家から20分以上かけて親に車で迎えに来てもらいます。

恐らく、都会の暮らしになれている人には、この生活は厳しいと思います。

もちろん、長崎市内でも、そんなに坂が多くなく、バスも電車も発達していて全く不便を感じないという場所も中にはあります。それでも通勤や買い物に行くのに車がないと不便なのは確かです。

関東や関西のように、1時間ちょっとで他県に出勤するなんてあり得ません。

このように、トータルで見ても、長崎という町は暮らすのには不便な街だと言えます。

まとめ

長崎に住むメリット・デメリットを多く述べてきましたが、どこに住むにしても住み続ければその暮らしに慣れることは間違いありません。

最低限の生活ができれば、あとは自然に囲まれてのんびり暮らしたいと思えば長崎は最適な場所です。

しかし、都会で、1時間あれば行きたいところに電車ですぐ行ける、コンビニで買いたいものがすぐ買える、選択肢がたくさんある生活に慣れすぎてしまっていると、長崎の生活には窮屈さを覚えるでしょう。

この記事を通して、「田舎はのんびりでいいな~」という軽い気持ちだけで住むことを決めるのは危険だということが伝われば幸いです。

以上、「長崎に住むってどう?仕事や交友関係におけるメリットとデメリットについて」でした。

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